今回は『学ぶ姿勢』&『リスペクトすること』についてこの夏わたしが気付き学んだことを記録します。
これらは馬リトリートを通していちばん自らの血肉にするのに苦戦したコンセプトたちです。
わたし、よく思考がどこかへいってしまうんです。
過去の諸々とか、まだ知らない未来とか、気持ちが今ここじゃないところへ飛んで行ってしまいます。
真面目な雰囲気がちょっと苦手かもしれません。空気が固くなると息が苦しくなるのです。
だから、おちゃらけてみたり、話を変えてみたり、気をそらしてみたり、よそ見してみたり。
そして、自分でいうのもなんだかなぁ、、、とは思うのですが、昔から人の気を惹くのが得意でした。
いつのころからか自分の思う方へ物事や人の気持ちを誘導するということばかりしていました。
エネルギーのバランスが悪いというか、氣の使い方や方向が間違っていたのですね。
そんなわたしも馬のレッスンでこてんぱんに打ちのめされていき、徐々に目を覚まさせられていきました。
馬レッスン第2日目、引き馬するためにロープの付け方を教わったときの話です。
(余談ですが、しかも逆光ですが、わたし、この写真のサニーの瞳と雰囲気がすきなのです)
馬房の中でロープを付けようとしたとき、首をまっすぐ高く上げているサニーを目の前にして、
ふと思い立ち、頭を下げるようにと気持ちを送ったら、サニーがすっと首を低くしてくれました。
わたしは正直それがちょっと誇らしくて、確認しに来てくれた由紀子さんにそのことを報告しました。
叱られました。予想外でした。
わたしがその日教わったロープの付け方にそんなやり方はなかったのです。
指示外の行動は余分だと、思考を介入させて自分のやり方を入れてはいけないと、叱られました。
わたしは学ぶ姿勢になっていなかったのです。それどころか自らのパワーを誇示しようとしていました。
そこですぐさま学ぶ姿勢についてガツンと教えられました。
自分を捨てること、「はい」と素直に学ばせてもらうこと、自分の意見をいうタイミングは別にあること。
教えてもらっていることをよく見て、素直に聞いて、そのままを自分の内にいれること。
そこに自分のやり方をはさまないこと、頭で考えずに教えてくれることをそのまま感じて受け取ること。
これらが教わる側の学ぶ姿勢であると由紀子さんは真剣にわたしに伝えてくれました。
あと、わたしの傾向として、理解しているのに確認するように何度も繰り返し聞くということがあり、
分かっていることを繰り返し聞いて人のエネルギーを奪わないように注意されました。
まずは自分で沈思黙考、やってみて失敗だったら後程また1から教えてもらえることも教わりました。
教わる姿勢になって初めて教える人からたくさんの教えを受け取ることができるということ。
まずはすべてを受け取り、そしてその後自分のなかで取捨選択していけばよいこと。
学ぶ姿勢を身に着けたときに得られるベネフィットは至極納得のいくものではありました。
しかし正直叱られてちょっとしょげましたし、でも真実だなぁと悔しい気持ちにもなりました。
こう振り返ってみると、その時はまだまだ学ぶ姿勢にはなりきれていなかったのですね・・・
続く馬レッスン第7日目、その日はマハティを捕まえる所から馬装までを任されていました。
一通りのやり方はすでに見せてもらっていたのですが、まだまだ初心者、ぼんやりとしか覚えておらず。
ロープを付け、ブラッシングをし、裏掘り(蹄の溝にたまった汚れを専用の道具で掃除)をする段になり、
頭に残っているうっすらとしたイメージを頼りにやろうとしてみたのですがどうしてもやり方が分からず。
恥ずかしい気持ちを抱えながら由紀子さんにやり方を聞きに行くとやはり強く諭されました。
やり方をちゃんと見ていないからわからないのだ、と。わたしは見ているつもりになっていただけだった。
由紀子さんはもう一度ゆっくりやり方を見せてくれましたが、わたしはだんだん頭が混乱してきました。
どちらの手で道具を持つのかなど手の位置が分からなくなって矢継ぎ早に質問してしまいました。
それで、手はどっちでもいいのだ、とさらなるお叱りをいただくことになったのでした。
全体をイメージでしっかり見て捉えていればやっていることはどちらでも同じなのだと教えられました。
頭でごちゃごちゃ考えるからわからなくなってしまっていたわたしがそこにいました。
ここで、由紀子さんからわたしの在り方というか生きる姿勢について気付かされることになります。
そもそもが、朝レッスンのために歩いてくる時からわたしの気持ちがなかった事を見破られていました。
目の前のことに気持ちを全く入れられていない自分、今ここに生きていない自分、、、
気付いたときが変えるべき時です。
例えば道具を用意するときなどはサッと動き、馬とコミュニケーションをとるときは時間をかけるなど、
キビキビ動くことや時間をかけるところとそうでないところを教わり、実行するようとの指示を受けました。
って、こうやって書くと本当に叱られてばかりいたようにみえますが、事実叱られてばかりでしたが、
これはきっとわたしは学ぶ姿勢はまだ学んでいなくて知らなかったけれど(齢的にまずいですが・・・)、
変わりたい、学びたいという気持ちというか意欲はあって、それに応えてもらえていたのだと思います。
叱られれば叱られるほど、叩かれれば叩かれるほど、悔しかったけれどバネにすることができました。
わたしのそういう性格を、きっとちゃんとわかってくれていたんだろうな、と思います。
というわけで、このあたりからかなり意識してキビキビ動くことを心がけるようになりました。
最初こそ気づいては修正をかけるの繰り返しでしたが、継続していくうちに習慣になりました。
自然と体が必要な時は小走りになったりと状況にあわせて適応するようになっていきました。
しかし学ぶ姿勢、そしてリスペクトすることについてはまだまだ意識が足りていませんでした。
馬レッスン第12日目、騎乗して庭に出ていくようになり、新しいことを学ぶ段になりました。
この日のことはよく覚えています。馬リトリート中でいちばん強烈に学んだ日だったかもしれません。
どんな馬でもそういう可能性はあるのだとは思いますが、サニーは暴走する可能性のある馬でした。
自分ですべてをハンドルしていく為に、駆け出すサニーを止める命綱、ワンレインという技を習いました。
マハティに乗っていた由紀子さんがお手本を見せてくれました。が、わたしはまたやってしまいました。
説明してくれる音ばかり拾って「ベルト」というワードに囚われ、ただシンプルに見たままを吸収できず。
それまでも何度も同じことで叱られていて、そんな自分になんで学べないんだと悔しくなりました。
それでもそこから気持ちを入れ替えてワンレインの練習をしてなんとか合格点をいただきました。
それですっかり気持ちが緩んでしまったのか、無意識的にわたしのペースに持っていこうとして、
由紀子さんに軽口を叩いてしまい、その瞬間その場ですぐさまサニーから降りるよう指示されました。
レッスンは強制終了。
学ぶ姿勢のないものに教えられることなど何もないのです。
リスペクトしないものに快く与えるわけにはいかないのです。
マハティに乗る由紀子さんを見上げて地面に立つわたしはものすごいことに気付いてしまいました。
“あぁ、わたし、息子だ・・・”
変な言い回しですね、要は自分の中に息子を見たのです。
正確には、わたしのいままでの在り方が鏡になって息子に反映されていたということなのでしょう。
叱ってもわたしのいうことなど聞かず突拍子もないことや違う話題を振って場をかき乱すところ、
人の話を聞かず自分のペースに持って行こうとするところ、これらがまさに息子に現れていました。
息子を叱るとペースを乱されてイライラする自分がいたのですが、原因は自分自身にあったのです・・・
わたしが学ぶ姿勢やリスペクトすることを学ばなければ息子も学べない。
この気づきは本当に大きかったです。
しかし本当に癖というのはやっかいですね。
馬レッスン第14日目、つい先日レッスンの強制終了という苦い薬を味わったばかりだったのに、
自分の間違いを差し置いて、由紀子さんに「本当ですか?」などと軽い口調で返してしまい・・・
リスペクトが足りない!とかなり本気で叱られました。正直泣きそうになりました。
言い訳は見苦しいですが、わたしたちの世代は何の気なしに「それ本当?」という言葉を使う気がします、
それでも社会でもまれてこれば痛い思いをしてこの歳になるまでに学んでおけたのでしょうが、
人付き合いを避け、長く専業主婦でいさせてもらってきたわたしは人間関係の構築が下手くそで、
リスペクトすべき場面や関係を見極める能力が育ちきっていなかったのだと思います。
もうこれで絶対に学ばないといけないと、そんな覚悟が出来た涙の馬レッスンでした。
そして馬レッスン最終段階の第18日目、やっと自分でも、わかったかな、と思える出来事が。
その日はトロットという軽く走る馬の動きに合わせて鐙に立つ、鞍に座る、を繰り返す技を練習しました。
サニーに乗ってトロットをしていたのですが、それはもう揺れるのでわたしも強くお尻を落としてしまう・・・
鐙につま先だけを入れて踵を落とし重心を下にすることやリズムに合わせてナチュラルに座ること、
言葉で教えてもらってもいまいちつかめなくてバンバン能動的にお尻を鞍に落としてしまうのでした。
それで、一度サニーから降りて、由紀子さんにお手本を見せてもらい雑念なくそのままじっと見ました。
そうしたら!サニーに再び乗ってトロットをすると、自分自身にかなりの変化を感じました。
ただ頭の中に由紀子さんの見せてくれたことがあって、体がそのイメージに合わせて自然に動く感じ。
学ぶ姿勢になって頭で自分ワールドに行かず見たままを吸収できたらこんなにも効率がいいのか!
一気に視界が開けたような、そんな明るく楽しい気持ちになったのを覚えています。
そして、想像以上に上達しましたね、とめずらしく褒めてもらってその日のレッスンを終了できました。
学ぶ姿勢、リスペクトすること、これらが本当に大切なコンセプトであることを身をもって学びました。
どの教育法がいいのか、どんな先生に習うのか、それらも大切だとは思いますが、
それらを考えるよりもまず先に、こどもちに教えるべきことがあるということなのだろうと思います。
でないと、どんなに素晴らしい環境がそこにあったとしても、そのいくばっかも吸収できないでしょうから。
そして、それらをこどもに、我が子に教えるためには、大人であり親である自分がまずは学ばないと。
自分が知らないこと、出来ていないことは、やはりどうやったって教えられないと思うのです。
わたしはまだまだ発展途上中です。今でも学び続けています。
学ぶためには積極的に人と交わらなければいけなくて、でも今ではそれが結構楽しいです。
息子もまだまだ発展途上中。今でも折々自分のペースに持っていこうとする癖がでています。
わたしが気付いて、自らを正していくことで、息子と一緒に成長していこうと思っています。
本当にたくさんの大切なことを馬リトリートで学びました。
わたしと息子の人生が大きく大きくシフトした夏でした。
サニー、マハティ、オードリー、マンディ、そして由紀子さん、本当にありがとうございました!
・ ・ ・ ・ ・
これで馬から学ぶ子育ての記録はおしまいです。
他にもまだ学んだことは細々あるのですが、それらも含めすべてはわたし個人の学びです。
共通する学びはもちろんあるでしょうが、参加者それぞれに学んだことは違ったと思います。
それが馬リトリートの面白いところだと思うのです。こんなストレートな学び、そうありません。
結局のところ文章ですべてを伝えるということはかなり難しいと感じていますし、
というかわたしの文章力でこの夏のすべてを表すというのはなかなか・・・それでも精一杯書きました。
読んでくださったそれぞれの方々に、なにか伝わるものやシェア出来たことがあったらいいなと願います。
もう少し書き残したことを書くか、ちょっと休憩するか、まだ決めていませんが・・・
夏から今日までブログを通してわたしと息子の成長を見守っていただき本当にありがとうございました!
Love, かーかーちゃん
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