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はじまりの日

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【馬から学ぶ子育て】食事の躾と健康管理


今回は『食事の躾と健康管理』について馬リトリートで学んだことを書こうと思います。

このテーマについて書くとなると、まずはテキサスに行く前の我が家の食事情の公開が必要でしょう。
恥ずかしい話になりますが、息子はかなりの偏食でわたしはそれまでそれを許し続けてきました。
2歳頃までは何でもよく食べていていたのですが、ある時期を境に全く野菜を食べなくなった息子。
最初こそ、親が食べる姿を見せてみたり、口に入れたくなるような工夫をしてみたりもしていたのですが、
時に激しい癇癪を起して拒否する息子の姿をみるのも嫌になり、継続的努力を放棄するようになりました。
肌触りなど過敏に反応したりともともと感覚がちょっと繊細なのかな?と思う節があったのもあり、
無理強いして食事の時間が苦痛になるよりは、と、次第に苦手なものを食卓に置かなくなっていき、
「食事は楽しく」「子どもは本能で分かっているから大丈夫」などの育児情報をいいように解釈して、
とにかくお腹をいっぱいにしてあげればいい、という感じで、食べたがるように与えていました。
(とはいえバランスこそ最悪でしたが、おやつ含め健康に悪影響なものは与えていませんでした)

馬リトリートの内容には共同生活というのも含まれていました。
4組の母子がひとつ屋根の下で寝食を共にする生活で偏食は大問題となりました。
いずれ改善するだろうと問題を先送りにしてきたつけが目に見える形で現れてくれたおかげで、
恥ずかしく苦しい思いをしましたが、食事の意味やマナーを教えることの重要性を痛感できたのでした。
一緒に暮らした仲間のママさんたちから学んだことは本当に多かったです、感謝しています。

しかし。まさか馬たちとの関わりからもそれらを学ぶことになるとは思ってもみませんでしたが。

というのは、馬リトリートも中盤に差し掛かかり、ケアなども含めて一通りのことができるようになった頃に、
馬たちの食事の用意をするというお役目を何度か与えていただくようになって知ることがありました。
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餌の準備はまず馬房のそれぞれの部屋から餌入れを回収するところからはじまります。
4頭それぞれの餌入れがあり、基本の配合飼料に栄養を付加する飼料、消化を遅らせる飼料など、
体調や体格、運動量に応じてその場でそれぞれに合わせた配合をする必要がありました。
消化を遅らせるものを混ぜることで餌がより長く体内にとどまり栄養が吸収されやすくなる、だとか、
最近運動量が落ちてちょっと太ってきているから栄養となるものは少し減らして、だとか、
ちゃんとそれぞれの馬のコンディションを把握してそれに合わせているのにわたしは内心驚いていました。
食事というのはただ空腹を満たすためだけのものではないんだな、ということを思い出しました。
(そんな当たり前のことを忘れていた自分にいちばんびっくりしましたが・・・)

あと、自然塩もそれぞれに合う量を配合するのですが、そのまま入れると避けることもあり得るので、
好き嫌いさせないよう混ぜ込んでしまいある意味強制的に食べさせているのだそうです。
「強制」という言葉のニュアンスに以前のわたしだったら変に反応してしまっただろうと思うのですが、
真のリーダーシップの何たるかを知り、育てるものが導いてあげることは支配とは違うと知ったので、
そのままの事実を受け入れ「栄養管理も親の役目か、なるほど・・・」と素直に学びを得られたのでした。

偏食をさせずに食事の内容を管理することは親の務めである事実に向き合いました。
確かに息子は繊細なところがあって味や舌触りに敏感に反応することもあるのですが、
だからといって好きなものだけ好きなだけ与えるのが彼の為になるかと言ったらそんなはずはなく。
そんな当たり前のことを「この子はこういう子だから」とわたしがレッテル貼りすることで、
息子の健全な成長やチャレンジの機会を奪い、わたしが彼を出来ない子にさせてしまっていました。
4歳の子にどれだけ食べるのが適正で健康の為にどの栄養をとるべきかなんて知恵はまだありません。
食べたもので体は作られていくわけで、将来の生活習慣病なども考えねばなりません。
だからこそ、親であるわたしが食べる量やその内容を管理する必要がある、当然のことですね。
思い返せば根底に「無理やり食べさせてトラウマになったらどうしよう・・・」という不安があったのと、
癇癪に対応するのが面倒だったのと、作ったものを残されることへの疲労感があったのですが、
(アレルギーのことや放射能のことなど考えることが多すぎて疲れてきていたのもあるという言い訳・・・)
どれもこれも自分の勝手な都合で、息子の健康のことなど考えていなかったのです。

なにも無理やり食べさせるのではなくて、食事内容を工夫するなどの継続した努力が必要なだけでした。
食べられると信じてあげて、食べられるように工夫してあげて、食べられたらそのことを認めてあげる。
なんでも食べてみるよう励ましてあげて、それができれば世界が広がることを教えてあげる。
真剣に向き合って、絶えず親が努力して子どもの健康を守ってあげる、それは愛情に他ならないです。
動機が不安なのか自己愛なのか、それとも子を想う本当の愛なのか、確かめるべきはそこなのでしょう。

餌のあげかたからも学ぶことがありました。
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まず餌をあげる順番なのですが、いちばん小さいオードリーがいちばん最後なのかな、と思っていたら、
サニー→マハティ→オードリー→マンディという順で、いちばん体格の良いマンディが最後でした。
これは群れにきた順番であげているとのことでしたが、なんだかそれがわたしにはとても印象的でした。
振り返ってみるとそれまで我が家ではとにかく息子の食事をいちばんに用意して配膳していました。
けれど今は一緒に食事ができるときはおとうさんの食事をいちばんに用意して配膳するように変えました。
小さなことだけれど、とにかく何でも息子がいちばんという環境をわたしがあえて作っていたことで、
息子に「僕がいちばん偉いんだ!」と勘違いさせてしまっていたところがあるのかな、と思ったのです。
最近は机をふいて箸置きと箸をセットするのが息子の毎食の仕事になっていますが、
その時に、わたしからおとうさんへの感謝の気持ちを息子に話すようにしています。

あとは、餌のあげかたでもうひとつ印象的だったのが、餌入れをセットするときにする躾けでした。
食べたがってセットの途中で餌入れに首をつっこんでくる馬たちを好きにさせてはいけないのです。
きちんと待たせてこちらがOKを出すまで食べさせないようにすることが教わったことでした。
それで、ここの線引きをしっかりしておくことで親の威厳が保たれるのかな、となんとなく思いました。
きっと野生の馬同士だったらボスの役割を持つ馬がこういった役目を果たしているのだろうと推測します。
食事のマナーというのは社会の中で皆が気持ちよく円滑に関係を結ぶためのルールなのでしょう。
そう考えると、わたしは息子にこれまで大切なことを教えてこなかったんだな、と反省しかなかったです。
わたしにだけでなく外食先などでも平気で「まずいから食べない」なんて言っていた息子ですが、
それが問題であるとすらわたしは気付けていませんでした。息子と立場が逆転していたのです。
それを許してきたのはわたしです。息子はいわばそれでいいと教えられてきた被害者でもあります。
というのはそのまま大人になっていったとして、彼が豊かな人間関係を築けるとは思えないからです。
相手をリスペクトしない人間が受け取れるものなどほとんどないに等しいのです。
嫌いだから食べない、というのは、嫌だからやらない、に繋がりかねません。
我儘な人間は狭い世界でたくさんの不満を抱えて生きていくことになりかねません。
というのは、わたしがそのように育ち、そのような苦悩を抱えて今まで生きてきたらそう思うのです。
偏食問題がこんな深い問題に繋がるとは思ってもみませんでしたが・・・今気づけて良かったです。

そうそう、馬たちの食事の世話なのですが、他にもヘイ(Hay・干し草)を庭に撒く仕事がありました。
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このブロック状の干し草を軽く固めたものを、これも日によって量を調整して、台車or抱えて庭に運びます。
力仕事でしたが干し草の香りがなんともいえずわたしはこの仕事が結構好きでした。
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庭の木が点在する場所まで運んできて、特定の木の下にヘイを置いていきます。
特定の木というのは、木によっては葉が落ちてしまっているものもあれば青々としているものもあり、
よく葉が茂っている木はその下に影が広範囲にでているというところがポイントなのでした。
あえて影にヘイを置くことで馬たちにそれを食べるときに涼んで休んでもらう意図があるのでした。
それを教えてもらったとき、馬たちのことを本当に考えていたら自然とそういう視点を持てるのだな、
わたしもそんなセンスを身につけていきたいな、と思ったのを覚えています。
しかも話はそれだけではなくて、馬たちが馬房で餌を食べ終えてヘイを食べにくる時間を推測して、
その時の太陽の位置とそれによってできる影の位置を想定してヘイを置く場所を工夫して、と言われ、
「そんなところまで・・・!」とそれにはちょっとびっくりしてしまった記憶があります。
ただ食べさせるのではなくて、ちゃんと気を配って見えないところの環境さえも整えてあげることで、
食事の時間が健康管理という面で何倍も、何十倍も意味のあるものになることをわたしは知りました。

由紀子さんは言っていました。
「食べさせることは信頼関係をつくっていく最初にする大切なプロセス」だと。
新しい馬を迎えるとき、まずは食べさせてあげて関係をつくっていくという話を聞きました。
食事というのは栄養をとって体をつくることに加えて愛情で心を満たしていくものでもあるのですね。
わたしもテキサスでは大分食事で満たされました、たくさんの美味しい手料理、忘れられません。

食事に関して、その内容や躾などいろいろな面から本当にたくさんのことを学ばせていただきました。
心構えが変わってわたしの対応が変わり、息子の偏食も徐々に改善されていきました。
なにより心強かったのが、仲間のママさんたちの存在で、お互いのこどもを我が子のように扱うことで
愛情をもって厳しく接してくれ、わたしがくじけないように時に励ましあたたかく見守ってくれました。
こどもたちがお互い刺激を受けながら苦手を克服していく姿も印象的でした。
我が息子ほどの偏食はさすがにいませんでしたが・・・

しかしそんな息子も1ヶ月の共同生活で本当に変わりました。
イチゴすら酸っぱいと食べられなかったのに梅干しのおにぎりを食べられるようになり、
緑色というだけで小さな欠片すらも受け付けなかったのが生のレタスを食べられるようになりました。
ふりかけなしでごはんを食べるようになったし、決して口を付けなかった汁物も飲むようになりました。
ってどんだけ偏食だったの!?という話ですね・・・ 

今新たなチャレンジ中です。息子はアレルギー・アトピーもちで0歳から予防薬を飲み続けてきました。
お医者様を信じて必要最低限の量でやってきたものの、薬を飲んでいるという事実に頼ってしまって、
それ以上何も考えてこなかったことにやっと目を向けることができました。
薬で抑えるのではなくて、食事で体の内側から根本的に良くしていこうと決めて取り組みだしています。
息子ともきちんと話し合い、彼も食事でよくしていこうという気持ちをきちんともってくれているようです。
玉ねぎが甘い、小松菜が美味しい、色々な味があることを知った息子は食事を楽しむようになりました。
今食べている物が、息子の身体を、未来を創っている、そう思うと親としての尊い責任を感じます。

食事の躾や好き嫌いの対応についてはいろいろな考え方があると思います。
わたしも最近本屋に行って食育本を読み今の自分のやり方でいいのかなと思ってみたりもしました。
それでも、わたし個人の感じていることとしては、偏食を好き勝手許していた時よりも、
いろいろ考え工夫している今の方が、苦手なものを食べなくてはいけないのに息子はしあわせそうです。
わたしが真剣になって息子のことを考えていることが伝わるからなのかな、と思います。
食事のたびに送っていたであろう「あなたはできないからいいわ」という無言のメッセージは消え、
代わりに「いっくんはできるよ。」という信じる気持ちがまっすぐ息子に届いていることを願います。

食べることって、生きることって、深い。馬リトリートで教わった大切なことです。

・ ・ ・ ・ ・

なんだか途中まとまりがなくなっていきましたが・・・^^;;
今日は家族でお出かけ予定、そろそろお弁当を作らなければ~!なのです。
料理をすることに苦手意識があったのですが、最近楽しくなってきました。

次回はせっかくなのでテキサスで食べたものたちの写真をアップしようと思います♪


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by kakachan19 | 2014-09-13 13:42 | ■テキサス馬リトリート(2014)